津軽の一帯はリンゴの栽培で全国有数の産地ですが、
特に黒石は傾斜地が多く山肌にびっしりとリンゴが
栽培されています。黒石のリンゴ栽培は歴史が古く
明治の初期に職を失った武士たちの生活の糧として
政策として普及されその多くの役割を果たしてきた。
今日に至るまで幾度にもわたる災害や疫病の蔓延に
もめげず再生を果たしてきた先人たちの努力がある。
その歴史の足跡が写真に現れているように枝を切り
落とした切り株とその異様な姿にある。
ある時、著名な写真家が黒石にきたとき、たまたま
冬のリンゴ畑を見て感想を述べていた。
「雪の山肌に突き刺さる鉄の爪みたいだね」と言って
いましたが、まさに今も尚その言葉を思い出す。
剪定の繰り返しの中で次第にその姿を異様なほどに
そして可哀想なくらい矯正されリンゴの実を着ける。
それが今日の津軽のリンゴ生産を支えているのです。